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Interview | 008限目「瀬藤亮太」学

価値は”生み出す”もの 福岡にAirBnBを普及させたイノベーターに学んでみた

更新日:2015年5月12日

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Lecture

瀬藤亮太 Ryota Seto

~脱”安楽への全体主義”~

みなさんが大学で“今やっていること”は、“大学に入った時にやりたかったこと”ですか?

「僕が経済学部の間で、一番興味があったのは“経営”の分野でした。しかし、大学では経済学部経済“経営”学科という名前にもかかわらず経営やビジネスのことは学ぶ機会が少なく、多くの場合、経済や金融のことでした。」

今回取材させていただき、そうおっしゃったのは 昨年九大経済学部を卒業され、現在社会人として働いていらっしゃる瀬藤亮太(せとう りょうた)さん。Airbnb というサービスを通じて繋がり、取材させていただくことになりました。

関連URL:https://www.airbnb.jp/

 

自分の学びたいことが、大学で学ぶことができない。

瀬藤さんは大学 2 年生のとき、マクロ経済学の先生に質問しました。

「これって今後のビジネスでどう活用すればいいのですか?」
すると先生はこう答えました。

「経済学は机上の空論といわれることもあるし、今後僕たちが改善していかなければなら ないのだよ。」

ビジネスは生ものだから、大学の中で学ぶことは難しいのか?
自分の学びたいことが、大学で学ぶことができない。
「じゃあ自分でビジネスをやらなければ」、と行動を起こされたそうです。

そこで始めたのが地域活性化のビジネス。
瀬藤さんが青年時代を過ごされた地域が寂れてきたことを実感して、商店街の会長さんや当時の九大の経営学科の教授の方と福祉のビジネスを始めました。デイサービスや老人ホームにいらっしゃる方にお洒落な服を販売したり、町へ連れ出して 大学生と交流をしたりして楽しんでもらう。

しかし、「福祉を通じて、大学生はお金を求めるべきではない、経験値とするだけで十分だ」 と大人に言われその事業はビジネスにならなかったそうです。こうして瀬藤さんの最初のチャレンジは失敗に終わります。

僕が拡大するので全部任せてください。

そして大学 4 年の後期、たまたま東京のITの社長の方と知り合いその方を通じて Airbnbというものに出会います。
(Airbnb:https://www.airbnb.jp/)
Airbnbに関わっていくうちに、その社長の方から福岡でAirbnbを活用したサービスを拡大するという話を耳にします。

そこで瀬藤さんは、「福岡で拡大するのなら、僕が拡大するので全部任せてください。
僕はこういった大学時代を送っていて、自らビジネスをすることに飢えています。僕はこれをチャンスだと思っているので、福岡でのサービス拡大は全て僕に任せてください。」と社長に対しておっしゃったそうです。

これが、福岡を任され Airbnb を始めるきっかけとなったそうです。

「僕が今まで何かすごいことをやってきたわけでも、Airbnbというものに対してすごいプランを持っているというわけではなく、その目的に対するどん欲さやハングリー精神が伝わったのかなと思います。」

こうして現在では毎月約100名の海外旅行者を迎えるビジネスに発展させ、大学時代の目的を少なからず達成できたそうです。

関連URL:https://www.airbnb.jp/?af=43720035&c=A_TC%3Dafxjncewwk%26G_MT%3De%26G_CR%3D23093472973%26G_N%3Dg%26G_K%3Dairbnb%26G_P%3D%26G_D%3Dc&atlastest5=true&gclid=CjwKEAiArvTFBRCLq5-7-MSJ0jMSJABHBvp0IkcyvN9jx-OVu_ZmtXWxTbKWhPOMX5dXgRLrU0RoexoCOKfw_wcB

“ミクロの目とマクロの目のバランス感覚”

そんな瀬藤さんに現在社会人として大切にしていらっしゃることについて尋ねてみたところ、こう答えていただきました。

“ミクロの目とマクロの目のバランス感覚”

まずミクロの目とは。
瀬藤さん自身も社会人とはいえまだ新入社員なので、すべてが初めてのことばかりだから こそ、とにかく目の前のことをこなしていく。目と鼻の先にある一番簡単で面白くない仕事 をいかに Max の完成度でやることができるかを意識しているとのこと。一見無駄には思えても、そうした地道な積み重ねが他人からの信頼を得ることができる方法となる。

一方マクロの目とは。
自分は未来で何をしたいのか、どんなわくわくする仕事をしたいのかを描いておくこと。 例えば、いろんな社会人の方にあったときに「僕はこういうことがしたいんです」と伝えると、「じゃあこれやってみる?」や「じゃあこういった人を紹介してあげるよ」と未来の自分のフィールドを有利に出来るきっかけとなる。ある目標に向けて自分自身を発信していくことがマクロ的な視点である。

そして、どちらに偏ることもなくバランスを取ることが重要だと瀬藤さんはおっしゃいま した。
つまり、目の前のことを着実にこなしつつ人からの信頼を得て人脈を作りつつ、自身の目標を周りと共有し、その目標を達成するための土壌を作っていくことが重要である。

以上のエピソードを通して、瀬藤さんが重要だと思っていらっしゃる“ミクロの目とマクロの目のバランス”を瀬藤さん自身が実施していらっしゃることに気が付きました。

社会に貢献するためにたくさんのアイデアを出して形にしてほしい。

この記事を読んでいる方もそれぞれみなさんの目標があると思います。
それを達成するために、目の前のことに全力で取り組み、自分を応援してくれる人々を増やしていくことで、目標へと近づいていくことができるのではないでしょうか?

そして、最後に私たち大学生へ伝えたいことを聞いてみました。
「ビジネスをしてほしい、社会に貢献するためにたくさんのアイデアを出して形にしてほしい。」と瀬藤さんはおっしゃいました。

大学には多くの“学生団体”があるが、自分自身の活動に満足して終わってしまっている場合が多い。
GoogleやFacebook等は学生によって生み出され、社会に対して、世界に対して大きな爪 跡を残し、いまやなくてはならない存在となった。
せっかく素晴らしい学生団体が多いのだから、全部そうなって欲しい。

どこかからお金をもらうのでも、お給料・時給をもらうのでもなく、お金を“生む”ことを意識して様々な活動に取り組んでほしい。
自分たちのサービスで人をハッピーにしてお金を生み出していく。きっと物凄く難しいけど、物凄く燃えるし、大学時代だからこそ、没頭できると思う。



みなさんが本当にやりたいことでビジネスをし、人を幸せにして価値を生み、お金を生み出してみませんか?

008限目「瀬藤亮太」学
Presented by 今学びたい100人の学問

 

編集後記

まさにビジネスマンというか、熱くクールな方だという印象を抱きました。お金をもらうのではなく、”自らお金を生み出す”ことに価値を見出していらっしゃり、その点について私自身非常に共感する部分がありました。実際に僕たちがこういったインタビューをしていくうえで、僕らや読者だけでなくインタビューを受ける方にも利益が生まれるようなシステムを作っていきたいと思いました。

2015/5/12
九州大学 金子雄仁

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