今学びたい100人の学問

Interview | 011限目 「真砂剛」学 

10社から内定をもらえなかった就職活動 志を持って地域に根差す社長に学んでみた

更新日:2015年6月19日

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Lecture

真砂剛 Masago Tsuyoshi

株式会社ネクステップ代表取締役
~「志」を持て!~

「世の中になくてはならない人間と企業を創ることに最善の努力を尽くし、その人間力と企業力によって歓びと感動の世界を形成する企業それがネクステップである」
という企業理念を掲げ、福岡の那珂川町で日本初(一)の企業になるために日々奮闘している会社に出会いました。

今回お話を伺ったのは、不動産会社「株式会社ネクステップ」の社長である真砂剛さん。大学卒業後、リクルートに入社し、3年弱で辞職。その後、「事業を通して世の中を変えたい!より良いものにしたい!」とう思いのもとネクステップを創業。様々な苦労や経験を経て、今年で27年目を迎える。
「この人のもとで働きたい!」
そんな社長に出会えるかもしれません。学生必読の学問です!

関連URL:http://www.next-step.co.jp/

 

「竜馬がゆく」を読んで志を持った

ー学生のころの話を聞かせてください。

「大学は西南学院大学に通っていて、学業は何もしていませんでした(笑)放送研究会に所属していましたが、あまり乗り気ではなかったです。元来体育会系の人間でしたから、室内にこもって会議をしたり、一つのテーマを議論し合ったりといったような事は性に合わなかったのです。ただ、直感的に自分の知らない世界でも一度その世界に浸かってみようと思い、続けることにしたんです。その後、九州学生放送連盟の委員長なども務めるようになって、色々な事を学ばせてもらいました。食べ物でもそうで、食べてみたらおいしいことってありますよね。」

正直、委員長などもいやいやながらまかせられていたそうです(笑)しかし、そのような経験が後々には活きているとも話されていました。
大学卒業後はリクルートに入社した真砂さん。詳しく伺ってみました。

ーリクルート入社に至る経緯を教えてください。

「就職活動は名の知れた企業をなんとなくまわっていて、10社まわっても内定がでませんでした。それまではとても弱気で学歴を見て就職先を考えていました。そんな中、先輩から「竜馬がゆく」という本を薦められました。この本がきっかけで自分の中に志が芽生えたのです。そこからは強気で就活に取り組むようになり、結果としてリクルートに受かりました。」

「坂本龍馬」という人物がきっかけで変わった人間は多くいます。しかし、真砂さんは自分ほど坂本龍馬にはまった人間はいないとおっしゃっていました。皆感動するけど、その感動をきちんと行動に移す人はなかなかいないからです。ただ、皆が竜馬を好きすぎて、好きな偉人は「土方歳三」と答えていたそうです(笑)

リクルートをやめて、自ら起業…。僕自身、一番気になっていたことを聞いてみました。

ー「ネクステップ」を起業。きっかけや苦労を教えてください。

「リクルートで働いた3年弱は10年分くらいの仕事だったと思っています。成績も残して3年目すぐにリクルートの社内報「スピリッツ」の表紙にも載りました。しかし、今でも原因はわからないのですが、急にやる気がなくなってしまって…。リクルートにこんなやる気のない社員はいるべきではないという思いからやめることを決意しました。やめてからは平成元年4月に父の不動産会社に入り、同年7月に起業に至ります。最初は何もわからなかったから、いろんな分野の方に教えてもらいながらがむしゃらにやりました。いろんな苦労は経験してきましたが、当たり前だと思っていたのでとにかく一つ一つ乗り越えてきました。」

リクルートでの最後の仕事は、恩返しの気持ちもこめて「良い仕事」をすることに力を入れたそうです。良い仕事をすることを心がけることが結果に繋がったといいます。

会社を立ち上げて26年。僕自身もネクステップ本社を訪れたのですが、とても明るくて挨拶がすごい!社員教育という面でも力を注いでいる真砂さん。何か方法はあるのでしょうか?

自分の軸にもなる哲学を持ってほしい

ー社員教育に関してはどのようなことをしているのですか?

「別に特別な方法があるというわけではないけど、まず『自分自身が変わる必要がある』。親、教師が夢を持たずに子どもに夢を託している現状はおかしいですよね?社員に夢を持たせるには経営者自身が夢を持たないといけないと思っています。仕事に対する誇りでもそうです。人は理屈では動きません。人は感動によってのみ動くのです。そしたら、自分が感動させられるようになるしかありません。」

挨拶に関してもマニュアルなどがあるわけではなく、個性を大切にしているということでした。また、一番大事なことは企業理念であったり、社長自身の哲学であったりを全社員に浸透させることだともおっしゃっていました。


ー学生に伝えたいことをお願いします。

「坂本龍馬はたった150年前の人物です。竜馬のようにとてつもない夢を持ってほしいと思います。時間は財産、若さも財産です。若いからこそできることにチャレンジしてください!そして、自分の軸にもなる哲学を持ってほしいです。常に『何のために』と考え行動してほしい。すなわち『目的』を持つということがとても重要なんです。」

若いからこそできること…。それは学生だからこそできること、と結びついているのかもしれません。学生のうちにやっておけばよかったと後悔しないように取り組む姿勢は大切なのかもしれません。

011限目 「真砂剛」学 
Presented by 今学びたい100人の学問

 

編集後記

今回のネクステップ訪問は那珂川町(福岡)に初めて行く機会にもなりました。駅の目の前にネクステップ本社はあり、中に入るととても暖かく社員の方は迎え入れてくれました。
ぜひ、この会社をもっと多くの人に知ってほしい、真砂社長をより多くの人に知ってほしいという思いで記事を書かせていただきました。定期的に「真砂塾」という塾が開催されていますので、ぜひ足を運んでいただけたらなと思います。
真砂社長、お忙しい中ありがとうございました!

2015/6/19
九州大学 松口健司

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