Interview | 025限目 「松本英揮」学
若者よ旅に出よう! 次世代のため環境問題に取り組む男に学んでみた
更新日:2016年11月24日
Lecture
松本英揮 Hideki Matsumoto
NPO法人H-imagine代表 鹿児島大学非常勤講師
~地球に羽ばたき、自分の個性を見つめよ!~
NPO法人H-imagine代表の松本英揮(まつもとひでき)さん。これまでに131か国を訪ね、16万キロを自分の足と、自転車を使って、世界の環境問題の現状を肌で感じてきた。現在は地元である宮崎を中心に、大学の非常勤講師や学生が環境問題を考えるためのエコツアーの引率を通し、日本中でより良い環境を作るための活動を行っている。来春には中国4500キロを自転車で30日間かけて横断する予定だ
関連URL:http://www.miyazaki-catv.ne.jp/~e1122m/Himagine/
今の子供たちが将来生き生きと暮らせる日本、世界を創りたい。
―これまでにどのような活動をしてきたのですか?
普段は一年のうち半分ほど宮崎におり、ドイツエコツアー(※1)の引率に年3回、上海や南京の大学の講義に年2回行っています。また学生への講義だけでなく、タイやアフリカで自分の起こしたプロジェクトを実施しています。基本的には日本に軸を置き、最北端の名寄大学からここ長崎大学まで環境授業を行っています。これまで自分なりに日本と世界を見て、次の時代のために自分に何ができるのか、を常に考えながら行動してきました。
※1 学生に環境先進国であるドイツのエコシステムを学んでもらうためのツアー。松本さんが年に3回企画し募集を行っている。
―大学ではどのようなことを教えていますか?
世界中の大学で講義をしていますが、ただ単位を取るだけの日本の大学の制度に疑問を感じたんです。そこで、せっかく講義を聞きに来てくれる学生がいるんだから、学生に響くような活きた授業をするように心掛けています。環境についての話だけでなく、環境問題を切り口に政治や経済、福祉などについても幅広く講義を行ってきました。
―これまでの松本さんの活動の原動力とその軸とは?
環境問題について考えるようになったきっかけは、地元で建設会社を経営していた時、九州電力から原子力発電所の建設の話を持ちかけられたことでした。送られてきた原発についての資料を見て、こんな危険な発電所を作ることはできないと思ったんです。会社の存続がかかった大きな事業でしたが、その話を断り会社を辞めて36歳で関西へ。
日雇いの仕事をしながら生活するなかで、労働者の現状と都市の環境悪化に危機感を感じ、環境問題に取り組み始めました。次代の子供たちに素晴らしい環境を残し、全員の子供たちが将来それぞれの分野で個性を出して生きていける社会を創りたい。この思いを胸に日々活動を続けているところです。
―では最後に学生に伝えたいことはありますか?
自分の足で世界へ行き、そこで何が起こっているのか、自分の目で確かめて、何かを感じてほしいと思います。そして常に日本や世界の現状を意識することですね。それが環境問題を考えるきっかけになればいいと思っています。あとは自分の得意分野で輝いてください!旅をしよう!!
025限目 「松本英揮」学
Presented by 今学びたい100人の学問
編集後記
Loqui長崎支部初のインタビューでした。記念すべき長崎支部一人目の方は、環境を軸に教育活動を行っていらっしゃる松本英揮さんでした。カフェでお話を聞いた際にも紙のカップは使わず、マイ箸を持参されており、信念に基づいて行動していらっしゃる方で共感する部分がたくさんありました。
「実際に自分の目で見て現状を知る」ことの大切さを改めて感じ、学生の皆さんにも環境問題を考えるきっかけにして欲しいと思います。今回はお忙しい中、早朝にもかかわらずお時間を割いていただきありがとうございました。
2015/12/19
長崎大学 松本宣大
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