Interview | 030限目「土屋有」学
大事なのは"やっちゃえ"精神 国立大学で教鞭をとるマーケターに学んでみた
更新日:2016年11月24日
Lecture
土屋有 Yu Tsuchiya
マーケティングプランナー/国立大学法人宮崎大学 地域資源創成学部 講師
〜「やっちゃえ!」自分の人生を決めるのは自分だけ〜
今回インタビューさせていただいたのは、土屋有さん。『インターネットマーケティング』を武器にこれまで様々な組織で活躍されてきたそうです。
ベンチャー企業を複数経験し、スタートアップから上場までに関わったことも。そんな実務家が国立大学で教鞭をとることは異例中の異例。現在は、平成28年度からできた宮崎大学5つ目の新学部、地域資源創成学部でマーケティング論の講師として、実社会で即戦力として活躍できる人材の輩出を目指しているそうです。
また同時に、複数のベンチャー企業の顧問としても活動されており、幅広く活動している土屋さん。
実は高校の時からいろんなことを考えてたと言います。
「やっちゃえ!」という言葉をいただきましたが、その言葉の裏には、大学時代からの様々な経験と苦しかった思い出も隠されているそうで……。
030限目に迫りたいと思います。
社会課題解決や継続的な事業創出を行うために研究
―現在の活動を教えてください。
宮崎大学で講師をしながら、いくつかのベンチャー企業のアドバイザーもやっています。
大学では、地域資源創成学部でマーケティングを教えています。具体的には、経営学をベースに、地方の「人」「もの」「こと」「サービス」「風土」などを事業として活用し、社会課題解決や継続的な事業創出を行うために研究をし、学生に講義を行っています。
アイレップにインターン
―大学時代はどのような活動をされていたのですか?
実は高校生の時から、ベンチャー企業に興味があって起業も考えていました。その前は役者になりたかったのですが……。
なぜ起業を考えていたのかというと、キッカケは、東京に行きたくて親を説得するために、自営業の親の本棚からビル・ゲイツの本を取ったことです。
とても共感をし、そこから起業という選択肢も自分の中では考えるようになりました。
大学は東京の大学に通って、インターネットマーケティングを学んでいました。当時の学問としては非常に珍しい学問でしたが、それが人生の武器となります。
転機となったのは、当時3名しかいなかったアイレップという会社にインターンに行ったことでした。そこでインターネット広告の面白さに魅了されることになります。
アイレップでの仕事が好きで、休学や留年を繰り返しながらどんどん昇級していった土屋さん。
最初は営業、その後経営企画を経て、24歳の時には取締役。26歳の時には上場して、そのタイミングで大学を中退したそう。
順調そうな昇級の陰には、ものすごい苦労もあったそうです。
インドやシンガポールを旅して周ってみて
―これまでで苦しかったことはなんですか?
アイレップが上場した後、『あいけあ』という子会社を起業しました。
業績自体は黒字だったんですが、急成長への焦りからお酒を飲まないと寝れない日々が続きました。また、新卒の内定取り消し、リストラなど心臓が痛くて倒れてしまう時もありました。
ただ、そのような経験から様々なことを学ぶことができ、会社・事業の立ち上げや成長、上場や売却、事業再生などのマネジメントをできるようにもなりました。
その後アイレップでの事業で実績を残した土屋さんは、アイレップを退職。
インドやシンガポールを旅して周り、その後は面白法人カヤックへとジョインすることに。
その他にも、当時から多摩大学MBAの大学院客員教授を務めています。
そんな様々な経験をしてこられた土屋さん。
また講師として、学生に接する機会も多い土屋さんが今学生に伝えたいこととはなんでしょうか。
知らない世界に飛び込むこと
―学生に伝えたいことをお願いします!
”知らない世界に飛び込むこと”の練習を今のうちにしておいたほうがいいです。
同じ大学、同じ会社、同じ部署、同じ業界というように、今後自分が過ごすコミュニティは、近い価値観を持っている人ばかりになっていきます。
そんなコミュニティにいると、これからどんどん世界が変化していく中で、自分の価値観を変えることが難しくなってしまいます。
いつも同じ価値観の人と一緒にいると、その居心地がよくて、離れたくなくなります。
でも、そんなスタンスでいると、変化し続ける未来でワクワクするのは難しくなっていくと思うんです。
ぜひ、学生のうちに居心地のいい世界を飛び出る勇気を持つための練習をしましょう。
ーどうしたら飛び込めるようになるんですか?
『やっちゃえ!』精神です。 誰もキミの人生の責任なんてとってくれない。
誰もキミの人生をコントロールすることなんてできない。
自分の人生を決めるのは、自分だけ。
チャレンジするかどうか、今がそのタイミングかどうかなんて、自分で決めてしまえばいい。決めた時がタイミング。やるかどうかは、自分で決めてしまえばいいのだと思います。
個人的にも、まだ人生これからだと思ってるんですよね。まだ長生きしたい。(笑)
学びに終わりはないってことだけは、感じています。
でも、大人になればなるほど、学ぶことがオモシロくなってきました。めちゃめちゃオモシロく、深い。
我以外皆我師也ですねー。
030限目「土屋有」学
Presented by 今学びたい100人の学問
編集後記
2016/5/5
九州大学 松口健司
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