今学びたい100人の学問

Interview | 017限目 「雁瀬暁子」学 

ワークライフバランスを実現する お母さんを支えるコンサルタントに学んでみた

更新日:2015年11月17日

この記事をシェアする

Lecture

雁瀬暁子 Akiko Ganse

マミースマイル代表
~お母さんが輝ける社会を~

今回お話を伺ったのは,雁瀬暁子さん。
福岡市西区にある,マミースマイル保育園の経営の傍ら,ワークライフバランスのコンサルタントや大学での講演を行っている。雁瀬さんの経営するマミースマイルでは,子どもの一時保育はもちろん,母親がリラックスできるスペースや,母親同士が話し合える場も設けている。マミースマイルがこのような場になったのは,「母親がちょっとだけ休める場をつくりたい」「お母さんの居場所を作りたい」という雁瀬さんの想いからだった。

今回は,雁瀬さんのそのような想いについて詳しく伺った。

関連URL:http://mammysmile.com/

 

お母さんも子どもも,家族みんなが生き生きと暮らせる社会を作りたい

ーどういった経緯でワークライフバランスに問題意識を持ち,現在の活動を始めたのですか?

「私がワークライフバランスのコンサルタントの資格を取ったのは,家族の生き方について考え直したいと思ったからです。日本では,まだまだ母親が家庭で孤独に子育てをしているケースが多くて,そのようなお母さんたちは頑張って子育てをしているのに,それを誰からも認められたり褒められたりすることもありません。そのような環境で子育てをするお母さんたちの自己肯定感は自然と低くなってしまいます。誰からも認められない子育てをするお母さんたちは社会と関わらなくなり,自分の希望を子どもに託します。でも,お母さんたちが生き生きしていないと,子ども達にもそれが伝わってしまうんです。だから,お母さんも子どもも,家族みんなが生き生きと暮らせる社会を作りたいと思ったんです。」

確かに現在でこそ「イクメン」が普及しつつありますが,それでも「お母さんが子育てを主に担うのは当たり前」といった考え方は根強く残っていると思います。このお話を聞いて,「当たり前」だと考えられていることが本当に「当たり前」でいいのか,考え直す必要性を感じました。

「家庭の中だけで子育てをしていては,誰も褒めてくれないし,相談できる相手もいません。にも関わらず,母親は24時間365日,「子育て」という仕事から解放されることはないのです。だからこそ,母親が休む場所や,居場所を作りたいと思ったのがマミースマイル設立のきっかけです。そして,母親が大変な想いをしながら子育てをしている現状を変えるためには,父親の生活も変える必要があると考えたことから,ワークライフバランスに興味を持ち,現在の活動に至っています。」

ー雁瀬さんが今大切にしていることは何ですか?

「無理をしすぎず,自然体でいることです。無理をすると,必ずどこかで歪みが生じてしまいます。日本人は働きすぎとよく言われますが,「生きるために働く」ではなく「働くために生きる」になってしまってはいけないと思います。明日死んでも後悔しない人生にできるように,そして,昨日の自分よりも今日の自分が好きでいられるように,日々自然体で過ごしていたいと思っています。」

「生きるために働く」ではなく「働くために生きる」になってはいけないというお話に考えさせられました。確かに仕事は生活の一部であって,それを含めた人生全体を充実したものにしていくことが理想的なのに,仕事が生活のすべてになってしまっては,何のために働いているのか分からなくなると思います。私も「幸せに生きるための働き方」を今後考えていきたいと感じました。

「サードプレイス」を作ることが大切

ー学生に伝えたいことを教えてください。

「自分のやりたいことを追求するだけではなく,もっと先の未来まで考えて行動することが大事だと私は思っています。結婚・出産等,就職の先にある未来に,その就職の選択で大丈夫なのか,就職するときに既に考えておけたら,その先も安心して働いたり,家庭を築いたりすることができると思います。
そして,社会人とたくさん触れ合って選択眼を磨いたり,「サードプレイス」を作ったりすることも大切です。家庭や学校以外にも自分の居場所を作り,様々な考えに触れることで,自分の選択肢も広がると思います。これからの長い人生,どう生きていくか先を見据えて考えていってください!」

017限目 「雁瀬暁子」学 
Presented by 今学びたい100人の学問

 

編集後記

私にとっては久しぶりのインタビューで緊張しましたが,普段は聞くことができないワークライフバランスについてのお話を聞くことができ,とても勉強になりました。今まではどちらかというと,今やりたいことを追求することが大事だと考えていましたが,もっとだきまで見据えて考える必要があるということを教えて頂きました。雁瀬さんはご自身も子育てとお仕事を両立されていて,とても生き生きと輝いていらっしゃいました。私もそんな大人になれたらと思います。雁瀬さん,お忙しい中本当にありがとうございました!

そして,今回は社会人と学生の縦のつながりをつくる企画の1つとして,Loquiが行っているアンケートの中で「女性の社会進出」や「ワークライフバランス」に興味があると記入して頂いていた峰萌絵さんと一緒にインタビューさせて頂きました!
以下峰さんからです!

今回、loquiの藤田さんに誘っていただいて、マミースマイルの雁瀬さんのインタビューに同行させていただきました。
私は男女共同参画やワークライフバランスに興味があり、そういった分野のことを勉強し、活動しています。この分野は、一部の人が盛り上がってしまい、誰もが考えるべき問題なのだと伝えようとしても、なかなか言いたいことが伝わらない歯がゆさを感じていました。このことをお伝えしたところ、講演会をよくされる雁瀬さんも同じことを思っていらっしゃったので、やはり伝えるというのは難しい問題なのだと改めて思いました。しかし、難しい、という言葉で終わらせるのではなく、上手く伝えられるようにワークライフバランスに関するプレゼンの練習会などを行っているそうです。難しさを乗り越えるために、新たな場づくりをしていることが、素晴らしいと思いました。
素敵な出会いをくださり、また好きなだけ質問もさせていただき(笑)、ありがとうございました!また、これからもたくさんのマッチングがあると、面白そうですね\(^o^)/

☆今後も社会人と学生をつなぐ活動は続けていこうと思いますので,興味のある方はぜひご連絡ください!

2015/11/17
九州大学 藤田由紀

この記事をシェアする

関連記事はコチラ

016限目 「坂本剛」学 

「無駄なことは何もなかった。今振り返ると全部つながっていた。」 福岡の観光地である福岡タワー、ヤフオク!ドームが立ち並ぶ百道浜。その百道浜に今回伺ったQBキャピタル合同会社のオフィ...

2015/09/14

045限目「白田直也」学

1987年生まれ 神奈川県出身 中学生のころから教員を志して東京の大学に入学。就職活動を経験し「卒業後すぐ教員になる」という考えから一転、2010年に民間企業である楽天へ。入社1年...

byぺの
2016/11/24

034限目「相良真史」学

相良真史 Masashi Sagara 1989年生まれ。福岡県出身。27歳。 人間関係コンサルタントとして、人間関係やコミュニケーションの問題を根本から解決すべく日々邁進し...

2016/11/24