Interview | 057限目「黒木翔平」学
人生を変えた留学経験者に学んでみた
更新日:2017年3月15日
Lecture
黒木翔平 Shohei Kurogi
日本ワーキングホリデー協会 留学カウンセラー
~さあ、人生を変える留学に出発しよう!~
1992年生まれ 宮崎県出身
熊本大学の文学部に在学中、ワーキングホリデー制度を利用して約1年ドイツへ留学。
日本に帰国後は、主に九州の学生を対象として留学サポートを行う学生団体「ABConnect」を設立。
大学卒業後は、日本ワーキングホリデー協会にカウンセラーとして就職し、現在に至る。
今回のインタビューでは、黒木さんがワーキングホリデーに行くまでの経緯と、渡航した前後でのご自身の変化を中心にお話を伺いました。
関連URL:https://www.jawhm.or.jp/
挫折だらけだった大学受験
―黒木さんは、高校生の頃はどんな学生でしたか?
ずっとソフトテニスをしている部活動生でした。
高校では理系で、有機化学が好きだったので、3年生になった大学受験のころは農学部を受けようと思っていました。ただ、国立の二次試験で数学をどうしても受けたくなくて…...。そこで推薦を取ろうとしたんですど、落ちてしまったんですね。
実は、高校1年生のとき、文系を志していたので、教育分野に関心がありましたが、当時の担任の先生のアドバイスで、結局理系を選択していて......。
それもあって、前期試験で教育学部を受けたんですけど、また落ちてしまい挫折ばかり…...。
後期では、教育学部を募集しているところが少なく迷いました。迷う中で、3年間で一番好きな科目を考えた時、日本史が好きだったことを思い出したんです。
そしたら、当時の尊敬する日本史の先生から「教育学部に行くより、歴史学科で日本史を勉強する方が、より深く学べる」というアドバイスをもらって、文学部を受けようと決意しました。
大学では結局、日本史ではなく西洋史に関心を持ちましたが!笑
4年間で卒業するルールなんてない!
―大学ではどういう経緯でワーキングホリデーに出会ったんですか?
大学でドイツ語を履修し、西洋史を学ぶ中で、ドイツ史にどっぷりはまっていた影響もあって、19歳の頃ドイツへ旅行に行ったんです。そこで海外の良さを知って、留学を志すようになりました。
その頃、ちょうど大学3年生になる直前だったので、進路を決めなければいけなくて…...。
ある時、レポートを書くために偶然本屋さんに寄ったんですけど、そこでワーキングホリデーの本が偶然目に入ったんです。そして、読んでみたら「人生が変わるのか......自分でもできそうだ」と思えて!
交換留学と迷ったんですけど、「大学を4年間で卒業するルールなんてない!1年くらい休んでもいいじゃないか!」と思い、ワーキングホリデー制度を利用してドイツに行くことを決意しました。
留学に行ったからこそ感じた使命
―ワーキングホリデーに行く前後でどんな変化がありましたか?
ワーキングホリデーに行く前は、週6でバイトして、週1でサークル行って、夜は飲み会に行って、というどこにでもいそうな、言ってしまえば、普通の大学生だったんです。
それから、向こう(ドイツ)に行ったんですけど、知り合った日本人のうち、九州人はたった2人だけで......。
周りが関東会・関西会をする中で、九州は人数が少ないので、九州会をするのもアレですし。
他の地方の会に混ぜてもらったりはしてたんですけど、常にアウェイ感をおぼえていたんですね。
その経験もあって、僕と同じ思いをする人がいたらかわいそうだと思い、「九州から海外に行く人数を増やさなければいけない!」という使命感にかられ、その後すぐに九州から留学・海外の情報提供をする学生団体を立ち上げました。
立ち上げて最初のイベントを、2015年の6月に熊本で開催しました。僕が留学を通して知り合った人とか、同じ大学で交換留学に行っていた人とかを呼んで、留学体験談を話してもらいました。
結果、そのイベントを通して、夏休みに5~6人本当に海外へ行ってくれて、それから毎月こういうイベントを開いていました。
そして、偶然最初のイベントに来てくれてたのが藤田(以下のURLを参照)で、そこから毎月イベントに来てくれていました。そこで、「留学の仕事興味あるの?」という話になり、僕からも「是非働かせてください」と伝えて、今の仕事につきました。
ワーキングホリデーに行った当時は目標もなかったんですけど、帰国してやりたいことが見つかったので、それは本当に大きく変わった点ですね。
今は、こうして好きなことを仕事にできているので、本当に行ってよかったと思います。
―性格、意識、価値観的な面ではどのように変わりましたか?
例えば、日本人が海外に行くとき、海外渡航は一年間のリフレッシュであったり、海外生活体験であったりのような目的が多いんですね。
別にそれが悪いことではないのですが。笑
それに、日本では、ぶっちゃけ仕事は探せばあるし、餓死することは滅多にないじゃないですか。
かたや海外はと言うと、実際に行っていたドイツの学校には難民がいっぱいいたんです。彼らは人生を賭けてきているので、ハングリー精神がとにかくすごい。
彼らを見ていると、自分が頑張ってないように感じて、劣等感を持つこともあったけど、何よりも思ったことは「毎日必死に生きなければならない」と。
現に、最初のクラスのクラスメイト14人中、5人が永住を目指して、未だにドイツに残ってるんです。僕も大学を辞めてドイツの永住を考えたこともありましたし......。
ですが、目の前にあることですら一生懸命になれないのであれば、結局何も頑張れないんじゃないかと、そう思ったんです。
自分で行きたいと思った大学なので、そこで、卒業はしっかりしようと決意しました。
それまでは、いわゆる「惰性」で大学生をしていましたが、帰国後は、どういうふうに考えたら生産性が上がるか、人が喜んでくれるかと考えられるようになり、かなり性格が変わりましたね。
行きたいと思った時に行くべき
―留学・ワーキングホリデーを考えている学生にメッセージを!
留学・ワーキングホリデーは学生さんのように、できるだけ元気で若いうちに経験しておいた方がいいんじゃないかと思っています。
若いうちに、「海外で働く」という経験を一つでも多く積んだほうがいいと思います。
帰ってきた時、日本人の勤勉さにも改めて気付くことができるし、「外国人と働くとこういうことに気をつけなきゃいけないんだ」と、すごく勉強にもなります。
もし迷っているなら、行きたいと思った時に行くべき。
その時が自分にとって一番のタイミング、「留学適齢期」だと思っています。
あと、もし親から少しでも金銭的な援助をもらえるなら、もらうべきですよね。
社会人になって働いてからでも親にお金は返せるので!
僕は、金銭的な面では自分一人の力で行ったんですけど、そのせいでお金が足りず諦めたコースや旅行もあったので、お金があればもっと違うワーキングホリデーになってたんじゃないかと若干後悔しています。
10年後に「あの時行って良かった、行ったから今の自分がある」と胸を張れる、悔いのない渡航にしてくださいね。
できない理由は誰でも探せるから、その中からできるものを探すこと。
全力で毎日頑張って、「学生」という立場を存分に利用していってください。
057限目「黒木翔平」学
Presented by 今学びたい100人の学問
編集後記
ぺの
2017/02/06
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