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Interview | 056限目「角田千佳」学

まちづくりにITから取り組む女性起業家に学んでみた

更新日:2017年2月20日

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Lecture

角田千佳 Chika Tsunoda

株式会社エニタイムズ (Anytimes Inc.)
~愚行移山~

1985年生まれ 東京都出身

慶応義塾大学を卒業後、証券会社に就職。その後、IT企業への転職をしたのち、2013年、株式会社エニタイムズを創業。

エニタイムズは、個人間スキルシェアサービス「ANYTIMES」を開発、運営している。家具の組み立てや掃除、犬の散歩など、日常のちょっとしたお願い事を簡単に解決してくれるサービスである。サービスを通じて、地域の人々の暮らしをサポートし、新しい働き方を創出するプラットフォーム作りを目指している。

今回インタビューさせて頂いた角田さんは、女性起業家です。角田さんが抱いていた、ある女性への憧れについてや、実際の起業に至るまでの思いを伺いました。

関連URL:https://www.any-times.com/

 

海外で気付いたまちづくりの重要性

―現在はどんな活動をしていますか?

昔って何か困ったらご近所さんに、旅行中のペットの世話や、子供の面倒見をお願いするという助け合いの文化がありました。ただ、現代になるにつれ、それが希薄化してきています。

「日常のちょっとした困りごとを、誰かに頼みたい。」けれど、近所の付き合いが少ないので頼めない、そういうことが増えましたよね。そこで、ちょっとしたことをお願いできるような近所のつながりを、まちづくりの観点から新しい形で再構築するために、インターネットを使ったサービスを作っているんです。

いわゆるクラウドソーシング・サービスのようにも思えますが、エニタイムズはインターネット上で完結するものではありません。直接、人と会って仕事をすることが基本で、インターネット上で完結する他のマッチング・サービスとは違っていますね。

コミュニティの人々の幸せを実現するまちづくり、そこに向かってエニタイムズでは日々活動しています。

―そう考えるようになったキッカケはありますか?

小さいときから、途上国でまちづくりに関わる仕事をしたいと考えていたんですよ。

というのも、小学生の時に読んだ本の影響が大きかったんでしょうね。その本に出てきた緒方貞子さんのように、国連の機関で国際公務員として働くということを漠然と考えていました。

緒方さんのようになりたいと感じたのは、彼女の功績とその人間性に感銘を受けたからです。

当時、国連は官僚的な組織だったそうです。それを、最初弱い立場であったにも関わらず、立ち向かい、日本人で初めて国連難民高等弁務官になりました。それからも、緒方さんは官僚的な組織に対して堂々と意見を言い、しかも自ら現場に行くという信念を貫き、官僚的な組織を変えていきました。

そうして、数々の功績を残しているのですが、本を読んでいるとまったく奢ったところがないんですよ。

「ただ難民となった人に尊厳を与え、人間らしい生活を送ってもらいたいだけだ。それを許さない状況に怒りをおぼえるから活動をしている。」とおっしゃっていて、本当に素晴らしい生き方だと感動しました。

それがあったので、その頃は本当に国連で働きたいと考えていました。

幸せのあり方への疑問

―ではなぜ起業しようと考えたのですか?

大学時代に海外へ行った際に気付いたんですけど、衣食住の充実度と、その地域の人の笑顔が比例していなかったんです。日本と比べれば衣食住は不足しているけど、それでもまちの中で暮らす人々は幸せそうでした。

日本は戦争もなく、衣食住にも不自由しない。ただ、日本のまちで暮らす人々は幸せなのかなと疑問に思いました。

そのときに、幸せを実感できない原因の一つに、地域や人のつながりが少なくなってきているからではないかと考えたんです。

それで、まずは身近な日本から。そしてずっと興味のあった持続可能なまちづくりの観点から、自分で事業を立ち上げる方が、より大きい影響を与えることができるんじゃないかと、思うようになりました。

だから、小さいころから漠然と考えていた国連の職員になるのではなく、起業に至り、エニタイムズを創業したんです。

今しかできないことを

―そんな角田さんはどんな学生だったのですか?

本も好きでしたが、子どもの頃から男子よりも足が速いくらいで、スポーツが大好きな子どもでした。だから、小中高とダンスをしていて、大学4年間もチアダンスチームに所属していました。

法学部政治学科では、社会学やオーストラリアの先住民アボリジニを研究していました。ただ、今しかできないような、体力があるうちにできることをしたかったので、四六時中チアダンスをしていましたね。

チアダンスにチームで取り組んだ経験は、今にすごく活きています。

ひとつの目標に向かって、一緒に時間を過ごして演技を作っていくチームとしての活動。死ぬほど熱い夏場の体育館で水分補給もせずに練習に打ち込んだ経験。

一生懸命に取り組んだ1つ1つが今の自分を形作っています。だから、自分のした選択に後悔はありません。

心から熱意の持てることを

―最後に学生へのメッセージを!

先ほども言ったように、チアを4年間続けたことは全く後悔していません。

社会の枠や固定観念といった、一般的な尺度にとらわれすぎないで、自分が本当に楽しいと思うことや、熱意の持てるものは何かというのを考えることが、大切なのではないかなと思います。

熱意を持てることを探すのはそんなに難しくないと思います。ほんの些細なことでもいいんです。

一見、仕事とは関係なさそうなことでも、自分が「楽しい」とか「幸せだ」とか思えること、それこそが自分のできることや、向いていることへのヒントになってくるんじゃないかと思います。

もし全くわからない場合でも、少しでも興味を持ったことには実践してみることが大事かなと思います。それは、実体験としても感じていることですね。 当たり前のことではありますが、何事も考え方ひとつで人生の見え方は180度変わります。

シンプルなようで意外とこれが忘れられがちなので、ぜひ意識してみてください!

056限目「角田千佳」学
Presented by 今学びたい100人の学問

 

編集後記

今回インタビューさせて頂いた角田さんは本当に美しく、まさに才色兼備。インタビュー中は、終始緊張してしまいました。

角田さんが小さいときから文武両道で、たくさんの本を読み、たくさん運動をしていると聞いたときは、そのギャップがすごく驚きでした。

「今しかできないことをしよう」という言葉にとても感銘を受けました。私は、迷ってしまうと優柔不断なので、決断のときに役に立つとても良い判断基準を教えていただけました。

また、将来起業したいと考えている自分にとって、何を目的で、どのような考えで起業するのかのヒントになることが多く勉強になりました。

また機会がありましたお話させていただきたいなと思います。
ありがとうございました。

福岡大学 原健介
2016/10/12

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