Interview | 059限目「ヤスミン・ジュディ」学
スタートアップビザ取得第一号者 福岡で活躍するフランス人起業家に学んでみた
更新日:2017年4月25日
Lecture
ヤスミン・ジュディ Yasmine Djoudi
株式会社ikkai 代表取締役
〜Always try harder〜
1987年生まれ フランス出身
株式会社ikkai共同創業者。
大学で言語を学んだのちに、フランスのボルドーにあるビジネススクールへ。在学中に姉妹都市であった福岡へ一学期間の留学を経験。MBA取得後、ニューヨークのスタートアップでの一年間の勤務を経て、福岡の地に舞い戻り、2016年2月、共同設立者であるトマ・ポプラン(Thomas Pouplin)と株式会社ikkaiを設立。その際には外国人の創業のための在留資格であるスタートアップビザに日本ではじめて認定され、第一号として取得した。
関連URL:https://ikkai.com
学生も社会人も忙しすぎる国・日本
―株式会社ikkaiはどのようなサービスを展開していますか?
ikkaiは個人や企業の方から頂いた1回限りのお仕事を学生さんとマッチングするプラットホームを提供している福岡のスタートアップIT企業です。お仕事の内容は多岐に渡り、クリーニングの引き取りや部屋のお掃除のような容易で作業的なものから、ロゴのデザインや翻訳・通訳などの専門的で実践的なものまであります。私たちは頂いたお仕事をウェブサイトに掲載し、その中から自分がやりたいお仕事を学生さんに選んで頂き、応募してもらうクラウドソーシングサービスを展開しています。
―ikkaiの構想はどのように生まれたのですか?
ikkaiの構想は学生時代に西南学院大学に留学していた時にあります。日本に来たのは初めてだったのですが、二つ感じることがありました。一つ目は、日本の社会問題でもある「働きすぎ」をどうにかしたいと思ったことです。二つ目は、日本の学生と交流した時に思ったこと、「忙しすぎる」ということです。留学中、同じサークルに入っていた日本人ともっと遊びたかったけど、アルバイトをたくさんしていたり、授業やサークルをしていたりと遊ぶ時間が少なかったんです。その経験から学生の働くスタイルを変えたいと思うようになり、同時に社会人のタスクもアウトソースすることによって少しは楽になるんじゃないのかなと思ったのがikkaiのサービスのきっかけです。
―今後ikkaiはどのような展開を展開を考えていますか?
福岡以外の他地域への進出による拡大を図ろうと考えています。ベースとしては福岡でやっていきたいと思っていますが、近くでいうと熊本や大分など学生が多くいる地域には展開を考えています。企業側のニーズが高い東京ももちろん視野に入れています。また、日本だけに止まらず東アジアへの進出も考えています。お隣の韓国や台湾、ベトナムやインドネシアといった地域からはすでに企業さんからお声がけいただいている地域もあります。
スタートアップは赤ちゃんみたいなもの
―そもそもスタートアップという選択肢を選んだのはなぜですか?
最初は起業してみたいという漠然な思いからです。ただ、MBAで授業を受け、スタートアップの勉強をしたことが実際にしようと思ったきっかけとしては大きいですね。リスクを考える前に授業を通して心の底からスタートアップをしたいと思ったのです。スタートアップは、産まれてすぐの赤ちゃんのようなものです。全てを自分たちでしなければならない。マーケティングも事業戦略も全て自分たちでしなければならないからこそ、そこに面白さを感じました。また子どもがいない今だから、自分たちのやりたいことに全力で集中できると思うし、日本が好きだから、外国人の起業家として日本の社会をより良いものにしていきたい、そのためのリスクなら構わないと思っています。
―働き方としては、カップルであるトマさんと2人でやるというスタイルを取られてますよね?
はい、よく夫婦と間違えられるのですが、婚約者とは少し違うらしい…です。法的にも認められたカップルの契約で、結婚はしなくても相続が発生するというような…。ただ分かりやすさで言えば婚約者で良いのかな?とも。(笑) 高校の頃から10年間ずっと一緒にいるからこそ、同じ思想を持っているし、新しいアイデアを考えながら活動することはとても楽しいです。別々に働いていたら、お互いの忙しさが変わってくるけど、一緒にやっているからそこの問題はなくなります(笑)
あとは、共同経営者としては100%信用できる唯一の相手だということも私の中では大きなことです。
挑戦しなければ何も生まれない
―これまでの活動で貫き通してきた信念はありますか?
”常に挑戦する”ことです。活動の中で苦労することはたくさんあります。特に私たちは海外からきたということもあり、言語の壁にぶつかることはよくあります。あとは、私が女性ということもあり社長に見てらえなかったり、年齢も若いので信用されないこともあります。でも、質問の答えにはなるのですが、常に挑戦することを忘れないようにしています。誰かがやらないほうがいいよということでも挑戦する。挑戦しなければ何も得ることができないです。
―最後に学生に伝えたいメッセージをお願いします!
ikkaiに登録してください!(笑) 冗談です(笑)
まずは学生生活を楽しんでください!学生期間の時間をもっと有効に使ってほしい。でもそれよりも自分の人生を考える見つめ直す時間を作ることが大事だと思います。将来したいこと、自分の存在意義など学生期間だからこそ時間を作って考えることは多いと思います。そのきっかけの一つとしてikkaiがあればなと思っております。
059限目「ヤスミン・ジュディ」学
Presented by 今学びたい100人の学問
編集後記
先日のTV番組にも取り上げられたほど今日本で注目を集めているikkaiさんを取り上げさせていただきました。サービスを立ち上げる思いにとても共感しました。大学生の期間をどのように過ごすのかを考えることが大事だという思いはLoquiの理念とも似ていて、ぜひ今後とも一緒に活動できたらと思いました!ikkaiのヤスミンさん今回はありがとうございました!
2017/03/13
九州大学 松口健司
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